アディポネクチンと腎臓・肝臓の関係
- 腎臓
- 前提:アディポネクチンは糖尿病を予防し、改善する働きがある
- 結果:糖尿病の3大合併症
- ①網膜症(糖尿病性網膜症)
- ②腎症(腎臓の細い血管が侵され、腎不全から人工透析に)
- ③神経障害(症状が進むと壊疽を起こす)を予防する
- 細小血管障害が原因で糖尿病腎症となる
- 症状
- ある程度まで進展すると軽い蛋白尿がみられ、悪化するにしたがって尿中の蛋白量が増加。また、血液をろ過して尿をつくる腎臓の働きもしだいに低下し、腎不全にまで進展すると血液透析による治療が必要。
- 原因
- 腎臓で血液をろ過して尿をつくるのは、腎糸球体という毛細血管の塊のような組織。この毛細血管が高血糖により網膜症と似た傷害を受け、腎機能障害が引き起こされる
- 治療
- 腎症の進展を遅らせる。厳格な血糖コントロールと、血圧を130/80 mmHg未満に管理
糖尿病からの合併症を防ぐ上でアディポネクチンは関与
- 肝臓
- 前提:アディポネクチンは高脂血症を予防し、改善する
- 結果:アディポネクチンは筋肉や肝臓に働いて、脂肪酸を燃焼させエネルギーに変える中性脂肪が下がると、小型の超悪玉コレステロール(小分子コレステロール)が下がり、善玉コレステロール(HDLコレステロール)が増えてきます
門脇孝・東京大学教授と山内敏正客員教授らは、メタボリック(内蔵肥満)症候群や糖尿病を防ぐホルモン『アディポネクチン』が肝臓などにある受容体と結合して働いていることをマウスで明らかにした